院卒のブログ

内部から東工大院に進学しました。主に院試に関する記事を書いています

東工大の難易度とその入試対策【高校生向けの記事】


こんにちは、院卒です。
ブログのpvが順調に伸びていたきたこともあり、今回は高校生向けに東工大の学部入試を書いてみたいなと思います。


大学院生にもなって学部入試のことを書くのも何だか恥ずかしいのですが、キュレーションメディアの誰が書いたかわからないような記事よりは、東工大卒業生である自分が書く方が世の中的にメリットがあるのではないかなあと思い、記事を公開しました。

 

東工大の難易度ってどれくらい?

東工大と聞くと、なんだか難しそうという印象を受ける受験生の方も多いかと思います。自分も高校1年生の頃はそのような印象を持っていました。

 

中には、東工大は理系の東大だというキャッチフレーズを聞いたことがある方もいるかと思います。

 

ですが、理系の東大は普通に東大の理科1類と理科2類です。
東大と東工大はかなり難易度にひらきがあります。

 

東工大の実質的な難易度は京大と阪大の間くらい、もっと細かくいうと阪大よりの難易度じゃないかなあと思います。東工大早慶理工を併願する学生も多いのですが、東工大生の2割くらいは早慶に落ちています。そのため、この辺の大学とも難易度は近いです。


また、東工大の最大の特徴として、数学3時間理科4時間という長時間の試験が挙げられます。早慶などの私大と比べるとじっくり考えるタイプの難問も多く出題されますが、東工大受験生の2人に1人が解けるような問題、すなわち青チャートの章末レベルの問題を卒なくこなせれば絶対に合格できます。

 

そのため、東工大=理系の難しい大学
という先入観は捨てて、是非チャレンジしてみて下さい。この記事で僕が一番言いたいことはこれです。

 

東工大の入試対策について

東工大受験にセンター対策は不要

東工大センター試験の得点が950点中600点を超えていれば、2次試験にその結果は影響しないので、特にセンター試験の対策をする必要はありません。そのため、マーク模試とかも受けなくて良いです。

自分や周りを見ていると
英・数・理で9割強
国・社が無対策のため5割前後

平均するとセンター得点8割前後という人が多いですね。
(もちろん、東大を泣く泣く諦めた人やAO入試狙いの人はもう少し点数が高いです。)

 

東工大の場合はセンター試験よりも2次試験の結果の方が圧倒的に大切なので、個人的にはセンター試験に時間を割くのはもったいないと思います。自分もセンター試験は直前の3日くらいしか勉強してません。

 

とはいえ、センター試験は受験生にとって1番最初の本番試験なので、あまりにも酷い点数をとってしまうとショックを受けてしまうかもしれません。

それが心配な方は、英語・数学・理科だけ3年分演習しておくのが良いと思います。英数理だけで600点を超えられれば最高ですね。

 

東工大英語の対策とおすすめ参考書

東工大の英語の試験は、河合模試や他の私大と形式が大きく異なります。

もちろん、年度にもよるとは思うのですが、自分の受験年の近辺は長文2題、それも英文和訳と和文英訳でおしまいでした。

 

そして、その英文の内容ですが、科学系の学術論文や英語の小説みたいな感じだったと思います。実際、東工大に入って研究室に所属すると、必ず海外のジャーナル(論文)を読むことになります。絶対全員読みます。

 

今思うと、あの入試問題は研究者として必要最低限の英語の素養があるかどうかを試していたのだと思います。(もちろん英語0点とかで入れてしまう人も沢山いますが。)

 

また、東工大の英語の試験は得点が大きく二極化します。試験の難易度が高すぎるからです。帰国子女のように凄まじく英語ができる人は素晴らしい得点を取れますが、それ以外の人の間ではあまり差がつきません。

 

そのため、英語は得意でも苦手でもないよという人が一番割りを食うテストなのかなあと思います。(自分がそうでした。)


東工大の英語入試は特殊です。そのため、それ専用の参考書をご紹介します。

まずは、リンガメタリカ
これは絶対買って下さい。学術論文を読む上での必要な背景知識が日本語でまとめられています。この参考書を一読すれば、科学系の設問でどのようなテーマが出題されるのか大まかに掴むことができます。

もちろん、普通の英単語帳としても有能なのですが、単語がやや難しいのでやるのであればターゲット1900などのやさしい単語帳を繰り返し覚えるのが良いと思います。

 

次に、ドラゴンイングリッシュ
東工大英語には必ず英作文が出題されます。そして、英作文の最大のコツは例文を100コ覚えて知っている言い回しだけで作文をすることです。

ドラゴンイングリッシュには入試英作文でよく出る英作文が100コまとめられています。そして、その1文1文に丁寧な解説がついています。

自分は英語があまり得意ではなかったので、通し番号を言われたらすぐにその英文が出るようになるまで覚え込みました。

 

以上が英語のおすすめ参考書となります。


もちろん、この2冊だけをこなせば東工大に合格できる訳ではありません。

自分が今持っている参考書と合わせて使って下さい。リンガメタリカとドラゴンイングリッシュは特に東工大対策に役立つ参考書、というだけです。


東工大数学の対策とおすすめ参考書

東工大=数学が難しい大学。これは間違いです。

 

確かに、過去には難しい問題も出題されていたのですが、もうここ5年は標準的な問題ばかりです。たまに難しい問題も紛れ込んでいるのですが、誰も解けないのでシカトでOKです。

 

東工大受験生の2人に1人は解けるだろうという問題を確実に解ける力を養いましょう。

具体的には、青チャートの章末演習がスラスラ解ければそれで十分です。本当です。やさしい理系数学とか必要ないです。

 

また、青チャートと1対1どっちが良いですか論争もたまに勃発するのですが、正直さほど難易度も変わらないので好みで選べば良いと思います。(青チャートの例題だけ解く!とかはやばいと思いますが。)

 

河合模試で偏差値65-70とか取れていれば普通に勝負になると思いますよ。少なくとも本番で足は引っ張らないはずです。

 

数学って、すごい得意な人以外は問題との相性、つまり運要素が大きいので地道に物理と化学の成績を伸ばすのが無難かなと個人的には思います。


東工大化学の対策とおすすめ参考書

参考書ではないのですが、自分は東進ハイスクールの鎌田先生を強くおすすめします。結果論になるのですが、鎌田先生の授業のおかげで自分は東工大化学で8割以上の得点を取ることができました。

 

授業の名前は確かハイレベル化学とかだったと思います。
この人の教え方は本当に目から鱗でした。

 

おすすめ参考書は、ハイレベル化学のテキストです。
1回の授業で1-2問しかないのですが、この問題全部完璧に解ければどの大学でも合格できると思います。本当に、おすすめです。

 


東工大物理の対策とおすすめ参考書

これも参考書ではないのですが、自分は東進ハイスクールの苑田先生というサングラスをかけたあのMr.マリックみたいな先生に教わりました。
講座名は確か、ハイレベル物理だったと思います。

 

この授業を受ける前、自分は自信過剰というか不遜なところがあったので、難しいとか言われてるけれど、正直大したことはないだろうという気持ちで受けました。

 

ですが、この先生の授業は本当に難しいです。
まず、数3レベルの微分積分を理解していないと本当に意味不明です。

 

自分がこの講座を受講した頃はまだ極限もまともにやっていない頃だったので、無事爆死しました。というより、数3を理解していてもこの先生の授業は意味不明だったと思います。

 

いきなり、ニュートンが使っていた記号とか言い出します。ベクトルを太文字で書きます。矢印とか使わないです。

 

校舎にもよると思うのですが、自分が受講していた校舎では苑田先生のテキストを解説できる大学生のアシスタントはいませんでした。

 

そのため、自力で必死になって苑田先生の言っていることを理解する必要がありました。当時は死ぬほど辛かったですが、苑田先生の授業があったからこそ自分で考える力が多少なりとも身についたのではと今では思います。

 

ただ、普通に物理の得点をあげたいのであれば重問を7回くらい解いたほうが効率的だと思います。自分も東工大物理の得点は7割程度でしたし、決して点数が高いわけではありません。

 


まとめ

いかがでしたでしょうか。
最後は東進ハイスクールの宣伝みたいになってしまいましたが、東工大入試のレベル感が少しでも伝われば嬉しいです。

 

麻布とか海城のような進学校の学生でない限りは、東工大と聞くとなんだか難しそうという印象を抱いてしまう事が多いかもしれません。

ですが、実際は大したことありません。東大の受験者層は青天井ですが、東工大のレベルには上限がありますので。

 

なんというか、世間からは難しいと思われているけれど実は簡単、というような自分しか知らなそうな真実を見つけていくのが大切なのではないかなあと思います。