院卒のブログ

内部から東工大院に進学しました。主に院試に関する記事を書いています

内部生からみた東工大の院試

2017年9月、東工大の大学院入試に合格しました。
世間では、大学院入試は学部入試に比べると簡単だと言われていますが、本当にその通りなのでしょうか?今回は内部生から見た東工大の院試というテーマで記事を書いていきたいと思います。

 

東工大院試概要

まず、東工大の院試にはA日程受験とB日程受験というのがあります。

A日程とは、内部生の成績上位者に与えられる特権です。筆記試験を受けることなく、東工大の大学院に入学することができます。

成績上位者の基準は各学科によって異なるのですが、僕の学科では半分より上の成績の人にA日程の資格が与えれれました。B日程の僕が言えた話ではありませんが結構緩いですよね。(A日程でも希望研究室の定員によっては不合格になる場合もあるのですが、面倒なので割愛します。)


B日程は、学部時代サボっていてA日程の資格を与えられなかった内部生と他大学から東工大の院試を受ける外部生によって構成されています。
また、通常大学院の定員は学部の定員よりも多めに設定されているのですが、東工大の場合は外部生(早慶とか理科大)が結構受けにくるので、大体2倍前後の倍率に落ち着きます。


・院試に受かると何が良いの?

外部生の場合、東工大の院試に合格することで得られる最大のメリットと言えば就職実績の強さでしょう。東工大院生の主な就職先はこんな感じです。

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また、優秀な教授のもとで研究できるというのもメリットの1つではありますが、外部から東工大を受験する人の最大のモチベーションはやはり、なんだかんだ就職活動での強さなんじゃないかなと思います。

一方内部生ですが、「まだ社会に出たくない」、「みんなが大学院に進むから自分も院試を受ける」というのが主な受験理由だと思います。全体的に外部生よりも意識が低いです。

・院試の噂の真偽

院試には嘘か本当か分からないような噂が沢山あります。自分なりに院試の噂に関してその真偽をまとめてみました。

院試の噂その1 内部生優遇は存在する

東工大に関して言えば、これは絶対に嘘です。
そもそも解答用紙には自分の氏名は書けず受験番号のみを記入しますし、内部生でも院試に落ちる人は一定数存在します。

 

院試の噂その2 院試のボーダーは6割
これはどんな大学でも言われている話ですが、よくよく考えると嘘というか意味不明ですよね。それぞれの大学で難易度も受験者層も違うのに院試のボーダーが一律6割なわけないです。

僕の調べた感じだと院試の本当のボーダーは
東大で4~5割、
東工大で5.2~5.5割とかだと思います。
(院試のボーダーは6割!という謎情報よりは遥かに役に立つとは思いますが、ボーダーはご自身が受験する専攻によってバラバラですので、あくまで目安程度に受け取って下さいね。)

院試の噂その3 院試は大学入試と比べると簡単
大学入試と大学院入試では、勉強をする環境や受験に対するモチベーションが全く違うので、これは何とも言えません。
ただ、内部生が必死こいて数ヶ月勉強したにも関わらず、落ちてしまうケースも中にはあるので、大学院入試も決して簡単ではないかと思います。

院試の真実を簡単にまとめると、「内部生だからと言って優遇される事はないし、5割5分前後の得点を取れなければ内部生でも普通に落ちる。」ということになります。
しかし、内部生優遇はなくても内部生が有利になる要因は確実にあるので、それについてもまとめてみました。

 

 

・きっと内部生が院試で有利になる点

1.院試の過去問&解答が簡単に手に入る
内部生からすると、院試の過去問や解答なんてあって当たり前だろと感じがしてしまいますが、外部生からすれば院試の過去問を手に入れるのにも一苦労ですし、解答を作成するのにも相当な労力が必要です。

ただ、これも専攻によるみたいで、自分の受験する専攻では大学のHPにほぼ全ての年度の過去問と解答がアップロードされていました。また、調べてみたら院試受験サークルというものが世の中にはあるらしく、そこでは大学院入試の過去問やその解答をドライブ上で共有しているそうです。

しかし、自分の専攻で公開されていた(教授が作成したであろう)解答の中にも、いくつかミスがありましたので、院試サークルの解答もきっとどこか間違っていると思います。
(僕らが発見した解答上のミスは致命的なミスではありませんし、教授も採点が終わってから翌年の受験者へのサービスのために解答を作成しているだけだと思うので、院試の採点上のミスはないと思います。)

 

2.どの教授が院試のどの科目を作成するか把握することができるので勉強がしやすい
私が院試のこの問題を作成しました。と明言する教授はいないかと思いますが、期末試験と院試の問題が似ていたり、出題科目を専門としている教授が1人しかいなかったりするので、内部生はどの教授がどんな科目を作成しているか割り出すことができます。


そんなこと頑張れば外部生でもできるじゃねーかカスと思うかもしれませんが、僕らは教授の好きな問題や性格を知っていますよね。どの科目で受験するかは慎重に決めましょう。

また、問題の出題者である教授の作った講義資料が手に入るというのも、僕ら内部生にとって大きなメリットです。(ちなみに僕はそういった講義資料や課題を全部捨ててしまっていたのでA日程を取った内部の友達から譲り受けました。ありがとう。)

3.なんだかんだ外部生より地頭が良い
内部生の殆どが気づいていないけれど、外部生よりも一番有利になる要因ってきっとこれです。自分の場合も、本番で誰でも解けるような問題を落としてしまって、合格発表までひどく落ち込んでいたのですが、結局受かっていました。

これは実際に院試を受けてみないと分からないと思うのですが、試験後こんな出来で本当に受かっているのかなという気持ちになってしまう内部生の方はたくさんいるかと思います。

ですが、東工大院試の受験者の半分は外部生です。そして、僕たちは彼らの実力を、内部生基準で、高く見積もり過ぎています。
きっとあなたが思う誰もが解ける問題は、「東工大生なら」誰でも解ける問題です。
試験後落ちた落ちたと騒いでる人も、蓋を開けてみたらなんだかんだ受かっていますよ。

 

 

・これから院試を受ける内部生の方へ

最後になりますが、これから院試を受けるであろう内部生の方に向けて、もっとこうしておけば良かったなという事を書いてみました。

1.学部と専攻を変えないのであれば院試勉強は3ヶ月もあれば十分
今回僕が受けた専攻は、数学のみで受験できるという謎制度を採用していたので1ヶ月強しか勉強しませんでした。
科目数が多い他の専攻でもGW明けから勉強を開始すれば、時間が足りなさ過ぎて落ちるという事はないかと思います。あんまり前から勉強し過ぎても直前になってだらけてしまいますし。

 

2.本番は過去問通りにはいかない
過去問を使って院試勉強をしていると、簡単に感じてしまい、ついつい本番も8割くらいは取れるだろみたいな気持ちになってしまいますが、本番は過去問通りにはいきません。僕の受けた年は本番で本当に見たこともないような問題が出て相当焦りました。

 

時間があればでいいのですが、出題傾向の違う他の大学院の過去問も解いておくことを強くお勧めします。(自分の場合、京都大学大学院の問題を解いていたのですが同じような問題が本番で出ました。)

 

3.倍率が高くても、内部生が少なければそんなに難しくない
僕の受けた専攻は今回、過去最高倍率になってしまい受験前から結構焦っていたのですが、今考えると見た目の倍率よりも内部生の数の方がずっと重要です。(前述した地頭理論のためです。)

僕の学科の同期は、もともと数が少ない上、休学留年飛び級就職などでかなり人数が減っていたので、普通に考えればまず落ちることはないのですが、アホなので見た目の倍率のみを気にしてしまっていました。

ただ、内部生の人数>大学院の定員
という専攻も中にはあるみたいなので、その辺は覚悟して受験して下さい。僕だったら専攻を変えると思います。

 

4.試験後2chは見ない
試験後、東工大院試スレというもので主に外部の人たちが、自分はこれくらい点数が取れただとか、今年のボーダーはこれくらいだろうみたいなことを話し合っていたので、自分もそれを真に受けて、少し心配になってしまっていたのですが、今考えると試験後に2chを見るメリットは1つもありません。

 

冷静に考えれば分かることなのですが、試験後に自分はこれくらい得点が取れたなどと書き込み人は概して試験の出来が良かった人ですし、その人がまともに自己採点できている保証はどこにでもありません。


試験後にああいったスレッドを見ると、書き込んである得点がボーダーのように感じてしまいますが、東工大の院試のボーダーは5割5分前後だと僕は思います。

5.TOEICは3年生のうちに700点以上取っておくと楽
TOEICの点数もまた、ボーダーがどれくらいなのか様々な説が流れていますが、実際に試験を受けてみて、東工大の場合は600点あれば有利にも不利にもならないし、700点を越えれば少しだけ有利だなと感じました。
ただ、内部生が一番やらかす可能性があるのは、TOEICの申し込みを忘れて、願書提出に間に合わないというパターンのミスです。

自分の場合はギリギリ5月のTOEICに申し込むことができたのですが、それにも間に合わない人はTOEICよりも難しいTOEFLを受験するか、タイやシンガポールにわざわざTOEICを受験しにいくそうです。

 

 院試勉強の最中は、普段から真面目に勉強してA日程を取っておけば良かったという感情しかなかったのですが、この記事が巡り巡って誰かの役に立つことがあれば嬉しいです。リクエストがあれば、随時情報を追記していきたいと思います。
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